狂犬病について

感染経路

狂犬病ウイルスを持つ動物に舐められたり咬まれるなどして
唾液中に含まれるウィルスが傷口から体内に入り、感染します。

感染対象

全てのほ乳類

潜伏期間

感染した場所が頭に近いほど短くなるといわれ、早くて数日、一般には1ヶ月〜3ヶ月、遅くて数年と言われています。

発症

感染してからウイルスが脳髄にいたった時点で発症します。

発症後の症状と治療

●前駆期
┗発熱、食欲不振、痛みや痒みを感じます。

●急性神経症状期
┗不安感、恐水及び恐風症状、興奮性、麻痺、幻覚、精神錯乱などの神経症状がでます。

●昏睡期
┗昏睡 - 呼吸障害によりほぼ100%が死亡。

発症すると有効な治療法はなく、最短10日で死にいたります。死亡率は100%です。
※発症する前に暴露後ワクチンを接種することで発症を抑えることができます。
(初回のワクチン接種日を0日として、3日、7日、14日、30日、90日の計6回接種)
※発症前に感染の有無を診断することが出来ません。

どうして予防接種が必要なの?<歴史と今>

狂犬病の発生状況

狂犬病は「暴れん坊将軍」でおなじみの江戸時代中期頃の記述に初めて登場し、九州地方(当時、鎖国時代の唯一の海外との窓口)から徐々に病が北上していく様子が書かれています。

日本で蔓延した狂犬病は、「都市型狂犬病」と言われ、犬や猫が感染源の人口が多い場所発症するものでした。

狂犬病の発症は、社会情勢の混乱が起きるたびに増え、たくさんの犬や人が感染し亡くなっていきました。

第二次世界大戦終戦後、社会的混乱が起き、再び狂犬病が流行したため、日本政府が昭和25年(1950年)『狂犬病予防法』を執行しました。

狂犬病予防法

★登録
┗飼い主の特定、継続的な管理責任、野犬との区別化

★予防注射
┗病理的な予防及び蔓延防止

★抑留
┗野犬や野良犬を抑え留める

★輸出入の際の検疫
┗狂犬病を国内に入れない

上記の「狂犬病予防法」の執行により、220年ほど続いた狂犬病の蔓延は、執行後わずか"7年"で国内の狂犬病をなくすことができました。

その後国内での感染はなく、現在に至ります。

ただ、国内での発症はないものの、国外では今現在も狂犬病の発症は多数確認されています。

輸出入の検疫は行われていますが、国外で発病が報告されているうちは、100%に国内での感染はしません!とは言い切れません。

過去の教訓を生かし、狂犬病のウィルスが存在する今現在も、狂犬病予防法を続けているという状態です。

昔と同じ事が起きぬよう、現在は狂犬病ワクチン接種を行うことが法律によって義務化し、登録や予防接種などを怠った場合、罰則により、20万円以下の罰金が科せられます(平成10年改正)

※厚生労働省の狂犬病ページはコチラ
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